カッシー（Cassie）は、その独特なハニー調と干草のような温かみのある香りで、他のミモザ系の香料とは一線を画す存在です。フサアカシア（Acacia decurrens）とは異なる深みを持ち、香水愛好家や調香師からも高い評価を得ています。Caronの「Farnesiana」やAnnick Goutalの「Le Mimosa」にも用いられているこの香りは、微かなスパイスノートとともに、ゆったりとした時間やエレガントなシーンにぴったりの雰囲気を演出します。
【本記事のもくじ】
カッシー
1. 香料データベース
- 名前: カッシー（Cassie）
- 学名: Acacia farnesiana
- 別名: キンゴウカン
- 抽出法: アブソリュート（溶剤抽出法）
- 香りの特性: 甘さを含んだハニー調、干草のような温かみとボリュームのある香り
2. 香料の検索機能
カッシーの香りは、ミモザ特有の温かみを持ちながらも、ややスパイシーなハニー調が感じられます。乾いた甘さと植物のナチュラルな臭みが独特で、フローラル系の香りやハニー・アニマリック調の香料に興味のある方におすすめです。
3. 比較
| 属性 | カッシー (Acacia farnesiana) | フサアカシア (Acacia decurrens) |
|---|---|---|
| 香りの強さ | 中〜強 | 中 |
| 持続時間 | 長い | 中程度 |
| 使用シーン | 秋冬、エレガントなシーン | 春、軽やかなシーン |
| 香りの特性 | ハニー調、干草風、温かみ | 青っぽい爽やかさ、パウダリー |
| クミン香 | あり（微量） | なし |
4. レビューと評価
- レビュー1: カッシーの香りは、香水の中でも独特で、甘さと植物の温かみが混じり合った深い香りが特徴です。特に、干草やハニーのようなまろやかな香りが心地よく、深いリラックス感をもたらします。
- レビュー2: 一般的なミモザとは異なり、少しスパイシーで奥行きのある香りが楽しめます。パウダリーなフサアカシアのミモザが好きな人にも、新しい発見がある香りです。
5. 調香師の推薦とアドバイス
調香師によると、カッシーは温かみのある甘い香りが特徴的で、特に秋冬の香水に最適です。Caronの「Farnesiana」やAnnick Goutalの「Le Mimosa」では、このカッシーが香りに深みを加えており、ハニーと干草の絶妙なバランスが印象的です。ミモザ調の香水を作る際には、フサアカシアとブレンドすることで、異なるノートの重なりが楽しめるでしょう。
6. 科学的分析と成分情報
カッシーの主成分には、アニスアルデヒドやヘキシルメチル、そして特有の温かみをもたらすフェノール類が含まれます。これらの成分が合わさることで、干草のような自然で乾いた甘さと、まろやかなハニーノートが生まれます。また、クミン香を発する成分も少量含まれており、香りの奥行きを深めています。
7. 持続性と香りの進化
カッシーの香りは、トップノートで微かなスパイスを感じた後、徐々にハニーと干草調の温かみのあるミドルノートへと変化します。最後は穏やかで甘いベースノートに落ち着き、長時間にわたりまろやかさが持続します。持続性が高く、時間と共に香りが深まるため、特にゆったりとした時間を過ごすシーンに適しています。
8. 文化的背景と香料の役割
カッシーは、古くからフランスの香水業界で特別な役割を果たしてきました。特にCaronが「Farnesiana」というミモザの香水を発表したことで、カッシーの名は広まりました。また、Annick Goutalの「Le Mimosa」もカッシーを用いた香りとして知られ、春の訪れや再生の象徴として愛されています。
9. 環境への影響と持続可能性
カッシーの栽培は、ミモザ全般の持続可能な香料生産の一環として注目されています。持続可能な農法や地域社会への貢献を意識したカッシーの生産が行われており、エコフレンドリーな香水ブランドでも採用が進んでいます。
